仏さまと芸術

❀仏教美術を伝える

伝承された仏様の世界を学ぶ中、私はやがて、いにしえからの美しい仏様の芸術に出会いました。それは天然顔料の美しさであったり装飾美の素晴らしさ、繊細な文様の美しさから溢れ出るオーセンティックな世界であったりしました。それは私の魂を最も感化いたしました。

神は細部に宿るという言葉がありますね。それは視覚美と精神美との織りなす平和と調和の美しさのようにも感じます。私の原点は美しいそこにあります。

❀仏さまとわたし

私は祖母に育てられ、幼い頃から仏さまを身近に感じ育ちました。
昔祖母に連れられていった正倉院の宝物に施されている文様に衝撃を受け、むさぼるようにデッサンしたことを覚えています。

祖母が亡くなった後も私はたくさんの方々に助けていただき、多くの方に生かされ仏さまに生かされて現在に至ります。

仏さまにこの身を存分に使って頂けますよう願うばかりです。

❀制作について

【文様の力】

仏様に施す文様(もんよう)は天平文様(てんぴょうもんよう)を使っています。
今から1300年程前、聖武天皇の天平年間に日本文化が仏教芸術と共に華開きました。東大寺境内に残る正倉院には多数の芸術品、古文書が納められ、現代に当時の息吹(いぶき)を伝えています。
その宝物にあしらわれた古の文様には命が吹き込まれているように思います。文様の力は、日本人の精神性と相通じるものを感じ施しをさせていただいています。

天平文様

【水の力】

・墨(すみ)を磨る水
・膠(にかわ)をとく水
・顔料(がんりょう)をとく水
・筆を洗う水
・絵皿を洗う水

これらすべての御水は神寺社さまにお参りして頂いた御神水を使わせて頂いています。
祈りの行(ぎょう)のなか、水の力をいただいております。

【石の力】

天然の鉱物を砕いて粉にした天然岩絵具(てんねんいわえのぐ)はあでやかで深みのある色が美しく、古代から壁画や絵画などに使われてきました。
私はこの天然岩絵具の顔料をパワーストーンだと感じています。
使用している青の部分は「群青(ぐんじょう)」で「藍銅鉱(らんどうこう)」という石を使っています。日本でも古くから使われ尾形光琳が描いた国宝「燕子花図(かきつばたず)」では燕子花の花の色にも使われています「緑青(りょくしょう)」の緑は「孔雀石(くじゃくいし)」という石でパワーストーンとして多く使われています。
その石を砕いた岩絵具で仏様を描かせて頂いています。

文殊菩薩
鎌倉飛天

制作風景