パリで発刊されているアート誌「Républic des Arts」(レピュブリック・デザール)に作品が掲載されました。
清浄なる仏の光
これはただの絵ではなく、むしろ、絵画である以上に宗教的な要素を含んだものであり、芸術であると同時に祈りでもあるものです。観る者はまるで、芸術が日本を席巻していた、輝かしい奈良時代にタイムスリップしたように感じるでしょう。奈良時代にインドと中国から日本に伝わった仏教芸術は、様々な文様を生み出しました。荒木Juro香珠は、それぞれの要素が融合して全体を構成する天平文様を用いています。これは、奈良時代に見られた大きな革新でした。初期には、要素がばらばらで統一感がなかったのですが、ここでは形が絡み合い、ドレープがより自然な形で身体の構造と一体化し、活動的で現実的な観察力を感じさせます。
『月光菩薩』は、奈良時代当時の芸術をよく表しています。菩薩の衣は調和のとれたひだを描き、腕の動きは優雅で、背景を飾る花々は衣の動きに添って、菩薩の後光を倍増させる冠を形作っています。色彩は伝統に則り、自然の要素から作られています。薬師如来としても知られる『月光菩薩』は、精神を象徴する存在であり、肉体的、精神的、霊的なレベルでの癒しを体現しています。体を包む衣服は、空と無限の海を象徴する青です。手には、薬蜜の瓶を持っています。月光菩薩の月光は、悩みや苦しみを鎮める力の象徴なのです。
『蓮花王』は、間違いなくブッダが最後に残した『法華経』のことを指しています。その中でブッダは、日常生活の困難は修行の場であり、一人一人にとって深い内的変容を遂げる機会であると述べています。そうすることで、他者を支え、社会に積極的に貢献するという自発的なコミットメントを促しているのです。この作品では、王の姿が黄土色の柔らかな光に照らされ、見る人の心を和ませます。彼女の絵を観る者は、作品がもたらす自分への影響から、この作家が絵を描くときの献身を感じることができるのです。
『飛天之図』は、精神の自由と逃避という概念を体現しており、それを眺めるだけで、神とつながり、日常を超越することができます。
『十一面観音』は、十一の顔を持ち、衆生に教えを説くことができる菩薩です。中央には大きな仏像があり、正面には寛大な仏が2体、怒り心頭の仏が3体、蓮華座の仏が1体います。すぐに目につくのは、静かな集中力と知恵のイメージを体現した、中心の仏の表情の繊細さです。一連の作品は、神聖な雰囲気に包まれています。
評論 フランソワーズ・イカール
2021年、芸術文化勲章を受勲。
芸術振興協会ARTEC会長、ヨーロッパと世界の女性アーティスト市民の会アルトゥエルスグループ会長、ラバーゼ事務局長、フランス芸術記者組合会員、職業芸術家組合会員、芸術・科学・文学会員。SMLH(レジオン・ドヌール勲章会員協会)準会員、ヨーロッパ芸術科学文学アカデミー(AESAL)会員。
トゥール大学を卒業後、ルーヴル美術館の肖像画家であった父のもとでデッサンとパステルを学ぶ。教師としてのキャリアをスタートさせ、BTS(上級技術者免状)のコミュニケーションと心理社会学、創造性を専門に指導。ラジオ番組の司会、テレビ出演など多くのメディアでも活躍している。